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【New Event】 HARUKAITO by islandで6/5から開催。華雪の個展「ながれる」がArtStickerに加わりました。

このたび「HARUKAITO by island」では、華雪の個展「ながれる」を開催します。

概要

華雪とはBLOCK HOUSEにて「うつろう」(2016年)「光」「花」(2018年)とおよそ2年おきに展示を企画・開催してきましたが、今回「HARUKAITO by island」としてははじめて、震災後からの大きな作品を展示します。
華雪が2017〜2019年の一時期、ほぼ毎日書いて来た「日」のほか、「水」(2019〜2020年)「心」(2018年)「鳥」(2016年)そして、「風」(2013年)を展示いたします。
震災があったことで「立ち止まる」ことを私たちは真剣に考えるきっかけになりましたが、また流れる時のなかで10年、いま全世界的に新型コロナウィルスが広がることにより、立ち止まらざるをえなくなりました。今度こそ、「立ち止まる」ことを考える時期にきてるのではないか、と華雪はいいます。そういう中、今回の作品は、時期は違えど「立ち止まること」を書いた作品です。
刻々とかわりゆく時間の中で、今回、コロナ前、コロナ後の作品がまじりあう作品がみられるのは、今だけです。
華雪の字は字=記号や意味を超えて、意味を含みながらも風景さえみえるような、文字への深い理解と、それを華雪が腑に落ちるところまで「思いやる」やりとりがあって生れています。日々違う「日」はひとつひとつ、かみしめる「日」の存在感があります。

作家コメント

それでも日々は進む。先へと進んでいく。
(エッセイ作品集『ながれる』より)

【日】

 東北の震災から1年ほどが経ったころだった。
 毎日眠る前(それは夜だったり明け方だったりする)に特別に準備することなく手元にある材料で「日」を書く、というルールを決めて、「日」を書くようになった。
 以来、中断しては、またはじめる、を繰り返しながら、9年が経つ。

書くときには酔っ払っていたり面倒だったりする日の方が多い。だから、ふだんなら失敗だと決めて捨てるようなものがしばしば出来上がる。
 目の前の失敗だと思える「日」を見る。もう一回書き直そうかと思うときもあるが、それさえ面倒で、そんな気分でまた「日」を見ると、そもそもほんとうはいったいなにが失敗なのかと思えてくる。今日一日が失敗だったのではないかとまで思い詰めたところで、なんとなくしかたない、今日はこれでいいと思う自分がいる。

束ねて部屋の隅に置いた日々増える紙切れの「日」は、毎日何度も視界に入る。そのたびに、大きさも素材もまちまちの紙の束が、これからどうなっていくのかは自分でもわからない。けれど、それが日々というものの正体なのかもしれない。

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写真:湯浅哲也(colonbooks)

今年の春、コロナウイルスがわたしたちの日々を一変させた。
家に閉じこもるようになり、一日が長く感じられる。起きて、食べて、眠る。空の様子が春から初夏のそれに変わっていくのを窓ごしにぼんやりと眺めていると、今日が何日かさえ、ふとわからなくなる。いつもは気に留めない時計のカチカチカチと時を刻む音に耳をそばだてる。

4月の終わり、長く病いと闘っていた友人が逝ったと昼間、友人から知らせがあった。
夜になっても眠れずにいると窓の外の空が明るんできた。彼が逝ってしまった日が過ぎてゆく。

彼は自分の目に映る日常の景色を、澄んだ色合いで描き続けた人だった。彼が病いを患ってから、「日」の字を送ったことがあった。彼を思い浮かべるとなぜか山吹色が目に浮かんで、山吹色の「日」を書いて、送った。彼は、わたしが山吹色を選んだことをおもしろがって、後日、その「日」を額に入れたと知らせてくれた。
 去年の冬、彼の暮らす広島の小さな町を訪ねた。町からの帰り道、彼から、額を見てもらおうと思っていたのにすっかり忘れていた、とメールが届いた。また今度、そう伝え合った。

赤と黄の絵具を混ぜて、山吹色をつくって「日」を書く。彼と過ごしたなんでもない時間が頭に浮かぶ。またひとつ、もうひとつ、「日」を書いているうちに、朝が来る。

「日」をまた書きはじめた。
 眠る前、机に向かって、「日」を書く。紙に筆先が触れた瞬間、二度と巡って来ることのない今日という日の手触りがそこにあらわれる。

作家プロフィール

華雪 Kasetsu
1975年、京都府生まれ。書家。立命館大学文学部哲学科心理学専攻修了。92年より個展を中心に活動。綿密なリサーチに基づく漢字一文字の作品づくりに取り組むほか、〈文字を使った表現の可能性を探る〉ことを主題に、国内外でワークショップを開催する。刊行物に『ATO跡』(between the books)、『書の棲処』(赤々舎)など。作家活動の他に、『コレクション 戦争×文学』(集英社)、『石原慎太郎の文学』(文藝春秋)をはじめ書籍の題字なども手掛ける。

作品収蔵先:高橋コレクション(東京)、ヴァンジ彫刻庭園美術館(静岡)、うつわ菜の花(神奈川)など。
現在東京在住

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写真:湯浅哲也(colonbooks)

基本情報

会期: 2020年6月5日(金)- 2020年7月5日(日)
会場: HARUKAITO by island
住所: 東京都渋谷区神宮前6-12-9 BLOCK HOUSE 2F
開館時間: 13:00〜18:00
休館日: 月〜水
観覧料: 無料
URL:   http://islandjapan.com/exhibition/578/

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