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「二つの心臓」が生み出すアート空間。その魅力と制作の裏側とは?(アーティストインタビューvol.1)

3331アーツ千代田にて開催中の、片岡純也+岩竹理恵「二つの心臓の大きな川」展。今回、本展覧会に出展される作品がArtStickerにも加わるのを機に、片岡さん、岩竹さんに加え、3331アートフェア2018にておふたりを推薦された、キュレーターの鷲田めるろさんにお話を伺いました。作品のこと、制作活動の裏側、そしてArtStickerに対する思いなど、アーティストとキュレーター、それぞれの視点から語ってくださいました。

「見た人が、『ふたり』ということを連想してくれる、わたしたちにぴったりなタイトルだと思った」(岩竹)

――まず、今回の展覧会はタイトルが非常に印象的だと思ったのですが、このタイトルにされた理由を教えていただけますか。

片岡「このタイトルはヘミングウェイの短編のタイトルから取りました。原題は、”Big Two-Hearted River”と言って、川のそばでキャンプして釣りをする話なのですが、タイトルが日本語訳にされるときに、とてもポエティックな表現に変わっていて素敵だと思いました」
岩竹「ちょうど私が、人体の解剖図と風景を組み合わせたコラージュ作品を作っているところに、片岡くんがこのタイトルを見つけてきてくれて。バラバラの言葉同士がつながっている感じがコラージュみたいだなと思いました。加えて、タイトルを見た人が、『ふたり』ということを連想もしてくれるだろうと思って、個展のタイトルにぴったりだと感じました」

――おふたりで制作をはじめたきっかけは何だったのでしょうか?

片岡「2013年にふたりで一緒にパリで1年間滞在制作をする機会があったんです。300人くらいアーティストがいるような大きなレジデンスで、2ヶ月に1回オープンスタジオを開催していて。そのときに、ふたりで展覧会をやってみたらすごくしっくりきて、そこからふたりの作品を組み合わせて発表しはじめました」
岩竹「生活のため、というのもありますね(笑)」
片岡「そう(笑)。その後もいろんなレジデンスに参加していたんですが、グループにしていないとひとり分の費用しか支給してもらえなかったり、色々と不便が生じて」
岩竹「はじめはそんな動機もありましたが、ふたりで制作をするうちに、どんどんお互いに影響しあって、より作品が豊かになった気がします」

「ふたりの作品は見え方は違うけれど、確かに繋がっている」(鷲田)

――岩竹さんはコラージュ作品を主に、片岡さんはキネティックな作品を作られていて、その両方があることで広がる世界観に引き込まれます。キュレーターの鷲田さんからから見たおふたりの魅力は何でしょうか?

鷲田「片岡さんは、自然の法則を身の回りにあるものを使って見せていくことがうまいですよね。大人はもちろん、子どもがずっと見ていても飽きない作品だと思います。岩竹さんは、深く見ていくと美術史との接続とか、色々専門的な見方ができるんですが、ぱっと観たときの第一印象として、古いものが持つ博物館的な魅力を感じることができる。その両側面を持っているのが岩竹さんの作品の魅力です。ふたりの作品は見え方が違うのに確かに繋がってくる面白さがあるんです。一見アプローチは違うんだけど、ふたりとも直感的に好奇心をくすぐる面白さを持ちつつ、とても深さを持った作品だと思います」

「海外では、作品の価値よりも、その裏にあるストーリーを大切にする印象がある」(片岡)

――片岡さん、岩竹さんは海外で多数活動をされていますが、海外と日本でのアートとの関わり方に違いを感じることはありますか?

岩竹「海外の方は、作品を買う気持ちが強いと思います」
片岡「そうですね。フランスでオープンスタジオを開いたときも、『この作品、姪の誕生日に買えない?』って言われたり」
岩竹「海外でのはじめてのオープンスタジオで作品が売れるなんて、夢にも思っていなかったんですが、自分たちの作品が売れるんだ、ということを実感した瞬間でした。また、フランスだと週末にホームパーティーをする習慣があって、そんな時にも家に飾っているアートが話題になるんです。自分がどうしてその作品を気に入ったのか、とか、アーティストとどう出会ったのかという物語を共有することが文化になっていました」
片岡「作品の価値よりも、その裏にあるストーリーのほうが大切という印象でしたね」
岩竹「パリにいたときに、知り合いのホームパーティーに招かれたことがあったんです。その方は私の作品のことも知ってくださっていたので、お子さんが道端で買った100年前の医学図鑑をプレゼントしてくれたんです。今回、その図鑑を使ってコラージュ作品を制作しているのですが、お礼に、その子が気に入っていたページで作ったコラージュを贈って。そういう小さな支援から生まれる交流もありました」

「物を伴わない、新しいお金の動きを生み出すArtStickerに可能性を感じる」(鷲田)

――アートが身近なんですね。ArtStickerもアートを身近なものにし、アーティストへの小さな支援を活性化させることを目指していますが、ArtStickerのことを最初に聞いたときの印象はいかがでしたか。

岩竹「すごく新しくていいなと思いました」
片岡「今っぽいですよね。僕自身、物理的に作品は持てないけど、『いい作品なんだ』って意思表示したいときがあるんですが、そういう意思表示のツールとしてもいいなと思いました。意思表示してもらった側はもちろん嬉しいですし」
岩竹「クラウドファンディングよりも気軽に応援できる感じがします」
鷲田「キュレーターから観ても面白いと思いました。アーティストにとって、制作費や生活費を確保するのは大きな問題なんです。でも今は、作品を売るか、大学で教えるか、まったく美術とは関係ない仕事をして稼ぐかくらいしか方法がない。ArtStickerは、新しい道を拓く可能性があると感じました」
片岡「キネティックな作品や映像作品は、売ることが難しい場合もあります。証明書をつけてなんとか売ったり、立派な箱にDVDを入れて販売したり、アーティストは作品が売れるように色々工夫をするんですが、どこかで無理が生じますよね」
鷲田「売買とは根本的に違うシステムが必要だと思います。株や為替と違って、アートの流通は不動産の形態に近く、買い手が見つからない限りお金が発生しない。そういう意味で、スピードが遅いんです。それが良いところでもありますが、そうは言っても制作活動や生活もある。ArtStickerは、物を伴わない新しいお金の流れを生み出そうとしているところに新しさを感じます」

――ArtStickerは単に支援だけでなく、作品を観る側と作る側に接続点を生み出すことも目指しています。

岩竹「応援してくれる人がいるんだ、という実感を持てることはとても嬉しいですね。観てくださる方とコミュニケーションを持てる機会は、今まで個展くらいしかなかったので」
片岡「アプリ上でコミュニケーションを取ることで、作品を身近に感じてもらえることはとても素晴らしいと思いました。作家としても、どういったものに興味を持ってもらえるのか、ということを知れる機会にもなりますし」
鷲田「作品を観る側としては、物を伴わないからいつでもやめられる点もメリットだと思います。実際に作品を買ってコレクションをするとなると、いざ『やめたいな』となっても困りますよね。ArtStickerのシステムだと、自分の関心のままにコレクションを広げていっても、何か違うなと思ったら撤収できる。アートに気軽にチャレンジしてみることができますよね。先程、ホームパーティーの話が出ましたが、日本だとよほどのお金持ちじゃない限り、家にアートを飾って、人を呼んでパーティーをしようなんて思わない。だから、作品を買おうという発想にそもそもならないんです。そういう中で、売買ではない新しいシステムを考えることは非常に意味のあることだと思います」

《プロフィール》
片岡純也+岩竹理恵
片岡純也 1982年 栃木県生まれ
岩竹理恵 1982年 南アフリカ、ヨハネスブルグ生まれ

日常的な素材を使ってシンプルな技術で作品化している。普段見慣れている物や具体的な現象を観察し、その本来の役割とは離れてそれらが持つ形の特性やメカニズムを抽象化させる。2019年は、シェフィールド(イギリス)のBloc Projectsでの展示や、ドレスデン(ドイツ)の「Ostrale Biennale 019」への参加など、益々その活動に注目が集まっている。

鷲田めるろ
キュレーター。1973年京都市生まれ、金沢市在住。1999年から2018年3月まで金沢21世紀美術館キュレーター。第57回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館キュレーター(2017年)。あいちトリエンナーレ2019キュレーター。

ArtStickerからも、おふたりの作品情報をご覧いただけます。

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TCMは「世の中の体温をあげる」という想いをかかげ、「Soup Stock Tokyo」等を手がけてきた遠山が構想する「新たなアート体験」に、PARTYが得意とする「デジタルでの体験設計」を融合させ、アートと個人の関係をテクノロジーで変革させ、新たな価値の提示を目指しています。

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